オレ様専務を24時間 護衛する



それを見たみかは、さすがにマズいと思ったのか

極上に甘い囁きを零して、電話を切った。

………それも、渋々に。




「もういいのか?」

「無理やり切らせたくせに!!」

「長過ぎんだろッ?!」

「短い方よ」

「ゲッ?!!……マジでか?」

「恋人同士なら誰でもそうよ」

「へぇ~」


小馬鹿にしたように相槌を打つと、


「って、興味無いくせに。ホント、最悪ッ!!」

「解ってんならブツブツ文句言うな」

「もうッ!!京夜って本当にガラスのプリンスよね?」

「久しぶりに聞いたな、そのセリフ。ってか、お前しか言わねぇか」




『ガラスのプリンス』

初めてみかに言われたのが、確か5年前。

みかが留学をする前に

送別会の意味でバーの酒を飲んでた時の事。


見た目だけのお飾り王子。

器としては最高なのに、

人間としての感情と中身が無いという。



みかから言われて、改めて考えてみると。

………自分でも納得。



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