オレ様専務を24時間 護衛する
男女間において、
追われるのが好きなタイプと追うのが好きなタイプと
大きく分けて2種類存在するが、
どちらかと言えば、朱夏は後者である。
だから、どんなにイケメンであろうとも
簡単には靡かないし、ハマる事も皆無に等しい。
だって、朱夏の好みの男は『ダメ男』なのだから。
デートの段取りさえ出来ないような優柔不断男、
朱夏のデートプランに一言も愚痴を零さない男。
そんなどうしようもない男でないと燃えないらしい。
性格が男の朱夏が主導権を握りたいのだから仕方がない。
そんな女に合せてくれる男がいるのが不思議だが、
いる所にはいるらしい。
世の中って………実に面白い。
そんな風に朱夏のマシンガントークを聞いていると、
「ん?」
「………」
「何?………どうかした?」
「………」
急に、目の前の朱夏がテーブル上の私の手をギュッと掴んだ。
不思議に思った私は尋ねてみるのだが、返答無し。
そんな朱夏の視線の先は、
――――――――私の斜め後ろの方へ。
何なの………?