オレ様専務を24時間 護衛する
朱夏が固まるくらいなんだから……。
あっ?!
もしかして、彼氏の浮気現場とか?!
私は急に不安になって振り返った。
すると、
「芸能人かなぁ?容姿からすると、モデルっぽいけど…」
「へ?」
………どこ?
思わず、店内の方を見回してみるが、
朱夏のいう『芸能人』らしき人が分からない。
「2人とも美男美女で凄くお似合いだよねぇ~」
「………そうなの?」
朱夏が言うくらいなのだから、相当な美男美女だろう。
キョロキョロと視線を泳がせるが、見当たらない。
「朱夏、…………どこ?」
「え?」
「その、美男美女」
「あぁ、あそこあそこ!うちらと反対側のテラスの端」
「テラス?」
L字型のテラスの端へ視線を向けると、
緩いウェーブのかかった長い髪の女性と
スラリとした長身らしき男性の後ろ姿が目に入った。
2人は仲良さそうに会話していた。