オレ様専務を24時間 護衛する
店内へと入ると、
「いらっしゃいませ、何名様で?」
白いシャツに黒いボトムス、ダークブラウンのエプロン姿の男性店員。
すると、みかは『2』とピースサインで合図した。
「あいにく店内が混みあっておりまして、中央のお席か、テラスのお席になりますが…」
申し訳なさそうに口にする。
まぁ、仕方ないよな。
時間が時間だけに混んでいるのもはどうする事も出来ないのだから。
俺は店内中央の席へと歩き出すと、
「ん?………どうかしたか?」
みかが急に俺の腕を掴んだ。
そして、
「ターゲット確認」
「?!」
不気味なほどの笑みを浮かべ、
「私に合せてくれればいいから♪」
「は?」
それだけ言って、みかはスタスタと歩き出した。
人ごみが嫌な俺。
勿論、『カフェ』なんてモノも大嫌い。
けれど、今日ばかりは仕方ない。
俺は1万歩譲って………歩き出す。
―――――――みかの後ろを。