オレ様専務を24時間 護衛する
「それに、この席に来てハッキリしたわ」
「?!」
「右の首筋にホクロがあるから」
「フッ」
―――――これで、ビンゴだな。
みかが気を利かせて、
俺をヤツに分からない方へと座らせてくれたらしい。
その間にもみかは、細かなチェックを入れている。
「一緒にいる女性は友達かしら?」
「あぁ、恐らくな。俺の相手役の女だろ。今日、逢うような事を言ってたから」
「へぇ~。さっきからこっちをずっと見てるけど、面識ないわよね?」
「無い」
俺らが歩くだけで注目の的だが、
奴はそれでもまだ、気付いてないのだろうか?
「奴は?」
「ん?」
「俺のこと、気付いたっぽい?」
「ん~、多分まだ気づいてない」
「………」
「まだ1度も目が合ってないし」
「へぇ~」
俺らはボソボソと呟くように会話をしている。
しかも、みかはみかで演技をしているのか、
そんな会話をしている最中も笑顔を絶やさない。
「京夜の………仮面を外してみるか」
「はっ?」
意味の分からない事を口にしたみかは、徐に……。