オレ様専務を24時間 護衛する
「チェックメイトと行きますか?!」
「了~解♪」
卓上の伝票を手にして、
「最後に1アクションだけ頼めるか?」
「どんな感じに?」
「俺がいつもの俺と違う感じで。あくまでも、真に受けられないような…」
「………いつもと違う感じねぇ。ん、やってみる♪」
「頼んだ」
俺はみかへ目で合図し、席を立った。
みかもまた、席を立って歩き出した
――――――――その瞬間!!
「キャッ!!」
テーブルの脚に躓いたのか、俺の方へ倒れ込んで来た。
「ッ!!…………大丈夫か?」
「うん♪」
―――――――女って怖ぇー。
こうも簡単にアクションが起こせるって。
しかも、俺の望み通り、
彼女(みか)は彼氏(俺)に優しく支えて貰い、
彼氏は彼女を心配そうに見つめて……。
みかの体勢を整え、優しく頭を撫で、
「大丈夫か?」
「うん♪ ありがと」
女嫌いの俺が、女に優しくしている姿。
―――――現実的にはありえない。
これは芝居であって、現実でないのだが
そんな俺らを奴はジッと見つめていた。
――――――――――何故ここに?
という、驚愕の表情の奴を横目に
俺らは悠々とカフェを後にした。