オレ様専務を24時間 護衛する
「何だ?浮かない顔して。喧嘩でもしたのか?」
「えっ?…………あ、いえ」
無意識に顔をブンブンと横に振ると、
「なら、いいが。今日は久しぶりに燥いで疲れたのかもな。俺のことは気にせず、ゆっくり休め」
「ッ?!………はい、ありがとうございます」
消え入りそうな私の声が聞こえていたかは定かでないが、
彼は到着したエレベーターに吸い込まれて行った。
―――――――一体、何が起きてるの?
昼間の事を振って来たと思えば、
全く知らないフリをしているし。
本当に別人だとしても……納得がいかない。
あれほどのイケメンがそうそういる訳がないのだから。
それに何?!
あの、鳥肌が立つような優しい言葉。
普段の彼を知っているからこそ、
あんな優しい言葉が聞けるとは思ってもみなくて。
今夜、地球が滅亡するんじゃないかしら?
そんな風に思えてならない。
彼が居なくなった後も
暫くドアノブを握りしめたまま硬直していた。
すると、