オレ様専務を24時間 護衛する
京夜side
カフェを出た俺らは、
みかが行きたいというショップを数軒廻り、
夕食は行きつけの中華料理店で済ませた。
そして、みかを自宅へ送り届ける車内で。
「京夜が女嫌いなの、解った気がする」
「ん?………それ、どういう意味だ?」
「昼間、カフェで見た、京夜の護衛の子。かなり独特な感じがしたもの」
「独特って?」
「ん~そうねぇ~~」
みかは少し考えてから、言葉を選ぶように口を開いた。
「護衛の子、明らかに抽象的だし、スタイルも抜群とは言い難いわね」
「………」
「華やかさにもいま一つ欠ける感じだし、男を虜にするような小悪魔的でもないわ」
「……で?」
「だけど、何ていうか……内から出る研ぎ澄まされた『美』みたいなモノをほんの一瞬だけど感じたの」
「フッ、研ぎ澄まされた……美?」
「そう。誰かに守って貰わなきゃならないような『か弱き乙女』ではなく、自ら道を切り開くジャンヌ・ダルクのような……力強さ」
「………」
「女の子女の子してない所は意外と好印象だったけど」
「……けど?」
「イマイチ、面白みに欠けるわね」
「は?何だよ、その面白みって」
真面目に答えているかと思えば、何だよ、それ。