オレ様専務を24時間 護衛する


「フッ。あの短時間で、よくそこまで解るもんだな」

「フフフッ、私を誰だと思ってるの?『蓮条みか』よ?!」


―――――聞いた俺がバカだったか。



小さくため息を零すと、



「人って、意外と単純なのよ?」

「ん?」

「誰かに見られたいと思うと、周りの目を気にし始める」

「………」

「可愛いとか、綺麗って思われたいと思う人に自然と目が行くし」

「………」

「自分を偽る時って、良く見せようと無意識に目を大きくしたり、不自然に口角が上がるの」

「………」

「好みのイケメンを見る時なんて、肩が竦んだり、顔が傾くしね」

「………」

「だけど、あのカフェで彼女だけ……しなかった」

「?!」

「要するに、『イケメン』には興味がなくて、周りがキャーキャー騒いだとしても流されないタイプ」

「………」

「自分をしっかり持っていて、客観的に捉えるタイプだと思ったのよ」



――――――コイツの洞察力、ハンパねぇ。


奴がみかのいう、そのタイプだとしても

俺が好意を寄せているのとは話が別だろ。


イマイチ、納得がいかない。



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