オレ様専務を24時間 護衛する
「京夜って、グイグイ迫るような肉食系オンナとキャプキャピのぶりっ子娘には虫唾が走るでしょ?」
「………」
「けど、彼女はどちらでも無い。しいて言うなら、間を取りたがるタイプかしら」
「間を……取る?」
「えぇ。一定の距離を保ちつつ、徐々に心を開いて行く……古典的なタイプね」
へぇ~。
奴はそういう性格なのか。
俺にはさっぱり解らないが、みかが言うならそうなんだろう。
そうこう話をしていると、みかの家に到着。
「今日はご馳走様」
「いや、俺の方こそ、助かった」
助手席から降り、何故か運転席側へ回り込んだみか。
俺が窓を開けると、
「京夜、1つだけいい事教えてあげる」
「ん?」
少し身体を屈め、運転席部分へ顔を寄せるみか。
そんな彼女に耳を貸す。
「――――………―――はッ?!」
「冗談だと思うなら、試してみると良いわよ?じゃあ、おやすみ~♪」
「おいっ!!」
俺様に爆弾発言を残し、
みかは片手を振って颯爽と帰ってゆく。
ったく、何だよ、それ。
俺はみかの言葉が頭から離れず、
悶々としながら自宅へと向かった。