オレ様専務を24時間 護衛する


30分程、車を走らせると。


「目的地付近に到着しました」


――――――音声ガイドがそう告げた。


「京夜様、目的地付近に到着した模様です」

「ん」


皮張りのシートに深く座っていた彼は窓の外を見回し、


「その先の一時停止を左折して、50m程先の右側に白い建物があるからそこに止めろ」

「了解です」


言われるままに車を進め、

お洒落な造りの白い建物がある駐車場へ車を止めた。



「さっきの箱を持って来い」

「あっ、はい!!」


颯爽と歩く彼を追い、

大きな箱を手にしたまま蔓薔薇のアーチをくぐって

目の前の白い建物の中へ足を踏み入れた。



中へ入ると、スタッフと思われる人が5人。

柔らかな笑みを浮かべ、出迎えてくれた。


「そちらの箱をお預かり致します」

「あっ、はい。恐れ入ります」


スタッフに声を掛けられ、衣装箱を手渡した。



けど………、

―――――――何かが変。

何だろう?



京夜様の後に続き、歩を進めると。


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