オレ様専務を24時間 護衛する
「あっ、そうそう。そいつの頭、なんか野暮ったいから、服に合うようにビシッと決めてやってくれ」
「それは、少し毛先を切らせて頂いても宜しいという事ですか?」
「あぁ、好きにしてくれ」
「えぇっ?!」
「はい、承知しました。ごゆっくりどうぞ」
深々お辞儀をするスタッフに軽く片手を上げ、
京夜様は颯爽と姿を消した。
えっ、えっ、えぇぇえッ?!!
何何何何??
髪を切るって、どういう事?!
本人の意思は関係ない訳??
動揺している私の横に満面の笑みのスタッフが2人。
「お客様。では、まず始めに髪に付いている整髪料を落とさせて頂きますので、こちらへどうぞ」
「………」
放心状態の私に、シャンプー台へと誘導するスタッフ。
しかも、もう1人のスタッフは『上着をお預かり致します』と、
来ていたジャケットを剥ぎ取って行った。
―――――――もう、なるようになるか。
自暴自棄になった私は、促されるままリクライニングの椅子へ。
ジャケットの下にベストを着ていて正解だった。
晒しを巻いているとは言え、やはり不安。
顏にガーゼタオルが掛けられ、流されるまま目を瞑った。