オレ様専務を24時間 護衛する
シャンプーが終わった私は、大きな鏡の前に座らされた。
呆然としている間に手際よくケープが掛けられた。
さらに『毛先』と言ってた筈なのに
何故か、ブロッキングされる私の髪。
――――――おかしくない?
動揺を隠し切れず、鏡越しにスタッフを凝視。
けれど、何故か黙々と作業していて
一向に視線が合わないのだ。
「あの?」
「はい」
勇気を振り絞って尋ねてみると、
漸くスタッフと目が合った………鏡越しに。
けど、何を聞けばいいの?
どんな感じにするのか聞いたところで
きっと、切ってからのお楽しみ……的な雰囲気だ。
出した勇気が掻き消されてゆく。
「こちらは、どのようなお店なのですか?」
―――――私はヘタレだ。
『勝手に切らないで!!』とは言えなかった。
口から出て来た言葉は、無難な質問。
聞くまでも無く、薄々は分かるんだけど……。
ニッコリ微笑んでくれたスタッフは、