オレ様専務を24時間 護衛する
鏡に映し出された私は前髪を斜めに流して、
アシンメトリーな感じに左側だけカチッとアレンジされている。
『スタイリッシュに』とスタッフが言ってたし、
『ビシッと決めてやってくれ』と京夜様も言っていた。
確かに、目の前のスーツに合う感じに
カジュアル風スタイリッシュになってはいるが……。
あっ!! そうか……。
男性でもお洒落な人はピンで留めたり、
ワックスとかで固めたりしてアレンジするよね?
それが、パーティーの席でするのかは定かでないけど
きっと、華やかな世界は何でもアリなんだろう。
私はまたまた自問自答で自己解決させた。
というよりも、そうやって自分に言い聞かせないと
精神的に崩壊しそうなんだもん。
―――――――もしかして、バレてるんじゃ?
と、心の奥からサイレンが鳴りっぱなしで。
渋々、ベストのボタンを外し始めると
「お客様?今お召しになっている服は、足元の籠へお入れ下さいませ」
「あっ………はい、分かりました」
溜息まじりにドア越しで会話をした。