オレ様専務を24時間 護衛する


鏡に映し出された私は前髪を斜めに流して、

アシンメトリーな感じに左側だけカチッとアレンジされている。


『スタイリッシュに』とスタッフが言ってたし、

『ビシッと決めてやってくれ』と京夜様も言っていた。


確かに、目の前のスーツに合う感じに

カジュアル風スタイリッシュになってはいるが……。



あっ!! そうか……。

男性でもお洒落な人はピンで留めたり、

ワックスとかで固めたりしてアレンジするよね?


それが、パーティーの席でするのかは定かでないけど

きっと、華やかな世界は何でもアリなんだろう。



私はまたまた自問自答で自己解決させた。

というよりも、そうやって自分に言い聞かせないと

精神的に崩壊しそうなんだもん。



―――――――もしかして、バレてるんじゃ?

と、心の奥からサイレンが鳴りっぱなしで。



渋々、ベストのボタンを外し始めると


「お客様?今お召しになっている服は、足元の籠へお入れ下さいませ」

「あっ………はい、分かりました」


溜息まじりにドア越しで会話をした。


< 334 / 673 >

この作品をシェア

pagetop