オレ様専務を24時間 護衛する
別に………変じゃない。
男性ものだし、サイズも大丈夫そう。
ホッと安堵した、次の瞬間!!
――――――――再び、硬直した。
何コレ?!!
ちょっとどころじゃないくらいおかしいでしょ!!
手に取ったスラックス。
一見、普通のスラックスに見えたのだが、
ファスナー部分があり得ない状態になっていた。
何で、見事なまでに壊れてんのッ?!
金具部分をあれやこれやと触ってみるがビクともしない。
Yシャツの腕や裾部分を留めているピンで留めれば
何とか隠せるんじゃない?
――――って、そうじゃない!!
こんな衣装を着れる訳がない!!
スタッフに声を掛けようと扉へ視線を向けた
……その時!!
「お客様?……失礼致します。お衣裳はこちらへお召し替えを……」
「へっ?!」
「御影様よりこちらを……と、申し付かっておりますので」
「………」
扉の下部分30㎝程の隙間から
トレイに乗せられた衣装が姿を現した。
京夜様がコレを……私に?
脳内で『チーン』と仏壇に供えてある鈴の鳴る音がした。