オレ様専務を24時間 護衛する
扉の前にスタッフが1人立っていた。
軽く会釈され、釣られるように会釈した。
すると、
「申し訳ございません。お時間があまりございませんので、お急ぎ下さいませ」
「あっ、はい」
促されるまま、スタッフの後を追う。
シャンプーボールと反対側のブース。
そこはメイク専門の場所らしい。
大きな鏡の前にズラリと並んでいるメイク道具。
どれもプロ仕様のものばかり。
椅子に腰かけると、
胸元から肩にかけてタオルが掛けられた。
そして……――……
「お待たせ致しました。如何ですか?」
如何?と聞かれても、返答のしようがない。
元に戻してくれと言ったら、してくれるのだろうか?
目の前の大きな鏡には見た事のない人が映っている。
――――――――本当に私??
そっと外されたタオル。
それが無くなる事で改めて気づく。
この後、起こる事が………何なのかが。
「御影様がお待ちですので」
「………はい」
必死に深呼吸し、スタッフの後を追った。
すぐ隣りの部屋のドアをノックするスタッフ。
中から返事が聞こえたのか、
ゆっくりとその扉は開かれた。