オレ様専務を24時間 護衛する
京夜side
松波をスタッフに任せ、俺は自宅へと舞い戻った。
この1週間、俺は地獄のような日々を過ごしていた。
だって、奴が『女』だと知っているのに
それを隠して今まで通りに接していたのだから。
今にも罵声を浴びせようとなりながらも
寸での所でグッと堪えて、俺は正気を保っていた。
いや、違うな。
既に正気では無いのかもしれない。
こんな風に奴を陥れようとしているのだから。
昔から俺は徹底している。
遣ると決めたらトコトン遣り通すし、
最後の最後まで一切手を抜かない。
それは仕事に関しても、プライベートでも。
奴はある意味、俺と係わった事で
不幸の人生を歩んでいるのかもしれないな。
そう思うと、ちょっとばかり不憫にも思うが
だが、それとこれとは話は別だ。
この俺様をコケにした罰を
身をもって償って貰わねば……。
シャワーを浴び、髪をセットして
奴が選んだ衣装に袖を通した。
フッ、アイツにしては上出来か。
俺は、鏡に映る姿に満足していた。