オレ様専務を24時間 護衛する


奴がいる部屋の隣りで待機する俺。


ラグジュアリーな雰囲気の室内で

ゆったりとソファに腰掛け、声がかかるのを待っていた。



――――――――待つ事、小一時間。


漸く、スタッフが俺のもとへやって来た。

どうやら、奴の準備が整ったらしい。



ノック音がし、ドアへと視線を向けると

ゆっくりと開かれた扉からスタッフが1人。


そして、その後ろに………奴が。



フッ、隠れているつもりらしいが、

長身の奴はスタッフの影から頭が飛び出している。


まぁ、俯いているし、恐らく目を瞑っているだろう。


スタッフに促され、部屋の中へと足を進めた。

すると、スタッフは気を遣ってか、

軽く会釈し、その場を後にした。



――――――――今、この部屋には俺と奴の2人だけ。



ジッと身動きもせず、俯いたまま。

そんな奴に俺の第一声は―――――。



「おい、俺は『初めまして』というべきか?」

「ッ?!」



俺の言葉で更に硬直した松波。

そんな奴との間を詰めるように、

俺はゆっくりゆっくりと奴のもとへと歩み寄る。


< 342 / 673 >

この作品をシェア

pagetop