オレ様専務を24時間 護衛する


「職務続行でいいよな?」

「へっ?!」


俺の言葉に驚いて、顔を持ち上げた松波。

今にも唇と唇が触れそうな距離。


だが、こんな状況は今まで何度もあった。

ただ、今までと違うのは……。


――――――目の前の奴が『女』の姿になっている以外は。



「俺はお前をクビにするつもりは無い」

「えっ、…………でも」

「二度も同じ事を言わせんな」

「ッ!!………はい………すみません」


お互いに視線を外せず、

お互いの吐息が触れ合う距離。


何とも耐え切れそうにないこの状況。



既に悪魔魂に火が点いている俺はからかうつもりで

硬直している奴の額に人差し指を押し当て、

不敵な笑みを浮かべながら

ツツーッと指先を鼻先、唇、顎へと這わせ

そのまま喉元へを下りてゆき、

鎖骨部分の窪みへと滑らせて行った。



ビクッと肩を揺らした松波は俺の視線を感じてなのか、

ゴクリと生唾を飲み込んだ。


そして、容赦なく指先を鎖骨から更に下へと滑らせて

奴の瞳を捉えていた視線はゆっくりと指先へと落とした。

松波もまた釣られるように視線を落とし、俺は……。





――――――――シルクの滑らかな布地を指先に掛けて



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