オレ様専務を24時間 護衛する
「解っていると思うが、目をギラつかせた害虫どもが360度容赦なく迫ってくる。……お前が居ようが居なかろうが」
「………」
「そういう世界だ」
ジッと真っ直ぐ前を見据え、無言のままの松波。
「おい、聞いてるのか?」
「えっ?……あっ、はい」
「一瞬でも放棄したら、………ありとあらゆる手を使って、お前を抹殺するから覚悟しておけ」
「………」
チラッと一瞥し、俺は再び車を目的地へと走らせた。
――――――――とある大邸宅へ到着。
ここは郊外の緑豊かな場所で、
今日の主催のシュヴェルツェ侯爵の別荘。
海外でも事業をこなす『御影』の善きパートナーでもある。
そのシュヴェルツェ侯爵の邸宅での晩餐会。
世界的にも有名なだけに、招待客も著名人ばかり。
日頃の感謝の意を込め、財界の大物達がこぞって招待される。
邸宅の門塀に軽く会釈し、車を敷地内へと走らせる。
邸宅の玄関前、エントランス部分には
既にレッドカーペットが敷かれていた。
車を停車し、運転席のドアに手を掛けた俺は