オレ様専務を24時間 護衛する
「何の真似だ」
「………」
俺の行く手を阻むかのように俺の腕をギュッと掴む女。
酒が入っているのと、
腹の虫の居所が悪いのもあって
俺は似非紳士の仮面を簡単に捨て去る。
「貴様、俺様に触れてタダで済むと思うな?」
「フフッ、相変わらず、俺様なのね」
「は?」
俺の声音にびくりともせず、
『相変わらず』と言いやがった、この女。
って事は、俺の過去を知っているという事か?
だが、目の前の女をジッと見据えても記憶にない。
「私の事、覚えてない?」
「………」
やはり、どこかで会ったらしい。
けれど、記憶にないモノは仕方がない。
ってか、普通に考えておかしいだろ。
「それ、今の流行り?っていうか、だいぶ前に流行ったよな」
「へ?」
「『私の事、覚えてない?』っていう、ナンパの常套句」
「ッ?!」
「それとも、今どきのオレオレ詐欺ならぬ、新手のワタシワタシ詐欺ってやつか?」
「なっ?!!」
俺の言葉にあからさまに憤慨した。
そんな女を横目に見て、その場を去ろうとすると、