オレ様専務を24時間 護衛する
13 現れし者
希和side
私が『女』と知った上でパーティーに連れ出した。
しかも、あらぬことに人前で『キス』を!!
もう何が何だか解らない状態で
放心状態の私を助けてくれたのは彼のお母様。
周りの視線から遠ざけるように
主催者のシュヴェルツェ侯爵夫人と共に別室へ。
京夜様のお母様は侯爵夫人と外国語で話し始め、
会話が終わったと同時に何故か、
侯爵夫人に両手を握られた。
にこやかな笑顔と優雅な仕草に目を奪われていると、
「希和さん、もう心配は要らないわ」
「え?」
「うふふ……」
その笑みはどういう意味でしょうか?
心配要らないと言われても、
お宅の息子さん、相当捻くれてますよ?
………大丈夫でしょうか?
後で数倍になって仕返しが来そうで怖い。
それに、両親や侯爵夫妻の前では大人しくても
この会場を1歩出たら分からないじゃない!
侯爵夫人のにこやかな笑顔とは対照的に
私は苦笑いしか出来なかった。