オレ様専務を24時間 護衛する
京夜様から以前、パーティーの同伴をすると
『恋人』だと認定されるとは聞いていたが、
まさかまさか、この私が
『婚約者』に仕立て上げられるとは思いもしなかった。
まぁ、これも一種のカモフラージュになって
彼に近づく女性を遠ざけられるというのは
頭の中で理解は出来るんだけど、
やっぱり、その、何ていうか……。
――――――私も一応、嫁入り前な訳で
明日の朝刊一面に載ったりでもしたら、
私………一生、お嫁に行けなくなるんじゃない?
京夜様の機嫌は悪くなる一方。
食事を殆ど口にせず、次々とグラスを空けていた。
京夜様のご両親と侯爵ご夫妻は本当に仲が宜しいようで
にこやかに会話も弾んでいるご様子。
………私には何を話しているのか、解らないけど。
だって、英語じゃない外国語なんだもの。
私は適当に相槌を打ちながら、
時折、京夜様に視線を向けていた。
すると、グラスをテーブルに置いた彼は
何やら一言声掛けをし、席を立った。
『お手洗い』に席を外したのかと思ったのだが、
10分経っても戻る気配も無く。
もしや、女性に囲まれてる?!