オレ様専務を24時間 護衛する


でも、普段の彼からはそんな素振りは一切感じられない。


けれど、先週末に見た彼は

明らかに私の知っている彼とは同一人物だとは思えなかった。


女性に優しく話しかけ、

愛おしそうに微笑んで、

彼女への気遣いも完璧にこなせていた。



ますます脳内がパンクしそうだ。



窓越しの彼の表情は

女性を蔑む時の悪魔の顔ではなく、

どこか、切ないような……

心が揺さぶられているようなそんな目をしていた。



普段の彼なら、癪に障る事を言われても

罵声の一声でも発したら撃退できるのに

もしかしたら、撃退できない程の強者だとか?


そもそも、女性を半径2メートル以内に近づけないよね?


あっ!! そう言えば……。

かなりのハイペースでお酒を口にしていた。

だから、足元がふらついて立ち去れないとか?



私は居てもたってもいられず、

テラスへと続く扉の前まで足を進めた。



すると、


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