オレ様専務を24時間 護衛する


携帯へ掛けても繋がらず、

見当たる所にメモ書きすらない。


地下駐車場へ下りてみると、車は2台ともあった。

だが、3台ある筈のバイクの内、

S1000RR(BMW)がそこには無い。

恐らく、彼がそれに乗って走りに行ったのだろう。



とりあえず、拉致のような事件性は低いよね?

いい大人が休日にツーリングするのに

わざわざメモを残すってのも可笑しな話。


………私の考えすぎかも。




一先ず、行先は分からなくても

外出した事だけは確認出来たのだから

私はとりあえず、部屋に戻って家事をしよう。

………そう考えた。



1人で朝食を取り、

いつも通りに家事をこなし、

そして、いつも通りに休日を過ごす。

―――――彼が居ないこと以外は。




何の音沙汰も無く、1日があっという間に過ぎて

気付けば、夕方になっていた。



現在の時刻、17時45分。

普段ならそろそろ夕食準備を始めるのだけれど

何を作っていいのか分からない。


いつもなら、彼からある程度の指示があるのに。



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