オレ様専務を24時間 護衛する
結局、無言で食事を終えた彼。
まるでお通夜みたいな重たい空気だった。
まぁ、元々無口な方だから
差ほど気にしなくてもいいのだけれど、
けれど、何かが引っかかる。
彼の表情がまるで別人みたいで………。
昨日の日中に、
ネットやテレビで話題になっていた。
『御影の御曹司、ついに結婚か?!』
『お相手はモデル風のスレンダー美女』
『人目も憚らず、熱烈なキスを!!』
……などなど。
予想通りの記事が紙面、画面ともに踊っていた。
一般人という事もあり、
私の顔は全て伏せられていたけど
『仲睦まじいご様子で羨ましかったです』などと、
あの会場にいたという人のコメントまである有様で。
仲睦まじい?
………ありえない!!
半ば脅迫されたようなものだし、
あれはお芝居だってのッ!!
それに何?! モデル風のスレンダー美女?
私のどこを見てそう言える訳?
褒める所が無いというのはあまりに残酷だ。
ネクタイを締めながら、ブツブツと呟いていた。
結局、私は今日からも『男』として
御影本社で仕事をする事になってしまった。