オレ様専務を24時間 護衛する
「おいっ、起きろ」
ラベンダーの香りが充満している寝室に
気持ち良さそうに寝ている女。
天蓋付ベッドの支柱をワザとらしく揺らし、
安眠を妨げるかのように低めの声音で吐き捨てた。
余程熟睡しているのか、起きる気配が一向に無い。
俺は待ちきれんとばかりに、
そいつの鼻を指先でキュッと抓んでやった。
すると、
「……んっ……んんッ?!………ちょっとぉッ!!」
「フッ、やっと起きたか」
「やっと起きたかじゃないわよッ!!何なのっ?!こんな時間に!!」
鼻呼吸が出来ず、
息苦しさから目を覚ました女は、
俺の手をパシンッと払い、
抓まれた鼻を指先で労わっている。
そして、視殺するかの如く、俺を睨んでいる。
「悪い、朝早くから」
「解ってるなら帰って!!」
「あぁ、解った。出直して来る………とでも言うと思ってんのか?」
「………知らない!!私は寝る!!」
「フッ、そうはさせねぇ」
再び布団を被って寝る体勢になったのを
俺は瞬時に止めに入った。
「………マジで助けてくれよ」
「………」
「なぁ、…………みか」
「……………もうッ!!ホントに何なのッ?!!」