オレ様専務を24時間 護衛する
―――――――三ツ星ホテルのロビーラウンジ
服をコーディネートして貰っている間に、
メモに書かれていた番号へ電話を掛けた。
見知らぬ番号だというのに、
ヘアピンの持ち主はすぐに出た。
『女』と電話どころか、
会話する事に慣れていない俺は
用件だけ伝えて電話を切った。
そして、今、
その女との待ち合わせ場所であるホテルに来ている。
約束の時間は15時。
あと20分ほどある。
こんなにテンパリながら、
『女』が来るのを今か今かと
待ち侘びるのはあの日以来。
嫌でも思い出す、彼女の後ろ姿を。
アイス珈琲の入ったグラスを傾け、
氷がカランっと音を立てて踊る様をジッと見つめ、
今にも狂いそうなほどの胸の高鳴りを必死に隠そうとしていた。
暫くして………、
「こんにちは」
「ッ!!」
ひと際高い声音に無意識に身体が硬直した。
そして、俺の目の前の席に座り、