オレ様専務を24時間 護衛する
14 急展開
希和side
悪魔の宴から2日。
京夜様からは何一つ指示は出されていない。
一体、私はどうすればいいの?
いつも通りに仕事用のセダンを運転し、
御影本社の玄関横に駐車した。
後部座席の彼は終始無言で、
相変わらず、話し掛け辛い雰囲気を漂わせていた。
その後も必要最低限の会話をするだけで、
彼はいつも通り仕事をこなす。
当たり前と言えばそうなのかもしれない。
だって、元々彼は『女』に興味は無くて、
世間の目を欺くために私を利用したのだから。
だけど、あまりにも空気が重々しくて息が詰まりそう。
就業時間終了少し前、
京夜様が今日一日で署名した稟議書を手に
私は、各フロアを巡回していた。
全ての稟議書を返却し、
駐車している車を玄関前まで移動させると、
「すみません、松波秘書」
「えっ?……あっ、はい、何でしょう?」
突然、受付嬢の三上さんが声を掛けて来た。