オレ様専務を24時間 護衛する
翌朝、いつも通りに朝食の準備をしていると、
「松波」
「はい」
「今日の夕食は1人で済ませてくれ」
「はい?」
「……俺は外で済ませてくるから」
「…………はい、承知しました」
京夜様はダイニングテーブルに着き、珈琲を口にした。
その横顔はあまり嬉しそうな感じではない。
恐らく、昨夜遅くに彼女から連絡が入り、きっと今夜リベンジデートをするのだろう。
そりゃあそうだよね。
私が同席したら、デートでなくてただの食事会だもの。
女性経験の少ない彼をリードすべく、きっと彼女の苦労は絶えないだろう。
あっ、でも……
『御影京夜』という人物を詳しく知らない事には始まらない。
………普通が通用しない人だから。
仕事はいつも以上にスマートにこなす京夜様。
別に機嫌が悪い感じはしないんだけど、
何だかちょっとだけ違和感を感じる。
『デート』を控えているだけに緊張でもしてるのかしら?
……………まかさ、ね。
午後5時少し回った頃、1本の内線がかかって来た。