オレ様専務を24時間 護衛する


―――――コンコンッ


「……はい」

「失礼します」



専務室に入ると、ジャケットを羽織る京夜様。


既にパソコンの電源は落とされていて、

机の上も整理されていた。



「ロビーに大倉様がお見えです」

「………分かった」



あまり抑揚の無いテールボイスが響く中、

机の上に置かれていた腕時計を着け始めた。


すると、


ピリリリリッ、ピリリリリッ………

突如、彼の携帯電話が鳴り響く。



「はい、御影です。………あっ、お世話になっております。………はい、……――……新商品のPRも兼ねて……」


電話の送り主は取引先の方らしい。

完全に営業トーンで話し始めた。


――――その時、


ピッピピッ、ピッピピッ……


「はい、専務室です」


内線が鳴った。

彼の通話に差し障ると思い、すぐさまそれを取ると。



「申し訳ありません、三上です」

「あっ、はい」

「専務室へお通ししても宜しいでしょうか?」

「え、あっ……」


私は受話器を手にしたまま、目の前で通話中の彼を見上げた。

すると、



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