オレ様専務を24時間 護衛する


私がクロスティーニ(イタリア版カナッペ)を作っていると、

隣りでレモンソーダのようなカクテルを。


「それは何というカクテルなのですか?」

「ん?これか?これはスプリッツアーっていうカクテルだ」

「へぇ~」


手際が良く、何だかカッコイイかも。


「それ、出来たら持って来い」

「はい」


彼はグラスを持ってリビングへと。

私も手早くクロスティーニを作って。

リビングのソファに座ると、



「お前の歓迎会だ」

「えっ?」

「とりあえず、宜しくな?」

「あっ……はい!!」



私は『宜しく』だなんて

言って貰えると思って無くて、

しかも、私の歓迎会を。



全然、オレ様じゃないし、

口調はちょっときついけど、

私的には全然平気。



護衛と補佐役はまだ分からないけど、

自宅でのやり取りなら何とかなるかも。



私は心の靄が少しずつ晴れて、

上機嫌でスプリッツアーを戴いた。


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