オレ様専務を24時間 護衛する


抱き締める腕をゆっくり解くと、


「京夜さん」

「……ん?」

「今度逢う時は……」

「…………逢う時がどうした?」

「その………」

「…………ん?」


何やら言葉を濁す彼女。

表情から察して、恥かしくて言い辛い事なのか?


彼女は少しはにかんでいる。


そんな彼女に優しい声色で尋ねると……。


「あの………」

「ん」

「………私の………」

「………」

「………両親に………会ってくれる?」

「へっ?!」

「…………ダメ?」



――――『両親』に会う?

それって、もしかして………。

いや、もしかしなくても……そういう事だよな?!


彼女は上目遣いで俺の返事を待っている。

何と言葉にしていいのか解らないが、

今ここで断る理由が見つからない。


それって、彼女の願いに同意をするという意味で……。

俺は軽く動揺しながらも、必死に考えを巡らせた。


そんな俺に『嫌なの?』と聞いてくる。

別に嫌という訳でないが、何というか……、

急展開過ぎて言葉に詰まる。


俺は無意識に苦笑した。

すると、


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