オレ様専務を24時間 護衛する
「断らないって事は、良いって事よね?」
「ッ?!」
俺の腕をギュッと掴み、
彼女はニコッと小悪魔的な笑みを浮かべた。
「ねっ!!」
「あっ………あぁ」
「キャァ~~ッ!!ありがと~♪」
「………」
結局、断る事が出来ず、流されてしまった。
押しに弱いというか、
経験値が無さ過ぎて、上手く立ち回れないというか。
まぁ、なるようになるだろう。
「じゃあ、俺はそろそろ帰るな?」
「あっ……うん」
「ん?……まだ何かあるのか?」
何か言いたそうな表情の彼女。
帰国後に逢う約束はしたし、
今後の2人の未来も何となくだが見えた気がする。
……他に、何かあるだろうか?
俺は彼女の顔を覗き込むように少し屈むと、
ゆっくりと顔を持ち上げる彼女。
揺れる瞳が俺を捕らえている。
そして、その揺れる瞳はゆっくりと閉じられた。
まるで、俺の気持ちを確かめるように……。