オレ様専務を24時間 護衛する
――――翌日。
前日の様子が少し変だったから気になってたけど、
仕事はいつも通りスマートにこなしている。
いや、いつもより2倍増しくらいにスマートにこなす。
ホント、昨日のは一体何だったの?
出勤早々、新企画の広報資料に目を通し、
その後は上半期の決算書類をチェックしていた。
そして、10時からの役員会議に出席する為、
机上を片付け始めた……京夜様。
私は素早く机上にあるカップに手を伸ばすと、
「松波」
「はい」
「悪いが、俺が会議に出席している間に、午後の商談時間を変更して貰っておいてくれるか?」
「商談時間をですか?」
「あぁ。15時を16時にして貰ってくれ」
「………はい、承知しました」
「無理にではないから、先方の予定を確認してくれ」
「はい」
「では、会議に行って来る」
「行ってらっしゃいませ」
彼が会議へと向かう背中に軽く会釈した。