オレ様専務を24時間 護衛する
周りにいる人々が野次馬の如く2人の事を傍観している。
しかも、中には携帯電話を傾ける人まで……。
ちょっと、これってヤバいんじゃない?!
ここは空港。
彼女は海外暮らし。
投げつけたのは小さい何か。
状況から察するに、
2人の間に何か問題が起きて、
彼が彼女へ贈った何かを彼女が付き返すみたいに投げつけた。
夫婦喧嘩みたいな言い争いに割って入るほど、面倒な事は無い。
私が仲裁に入った所で、
あの彼女が納得するとも思えないし。
……だから私は、無意識に歩き出した。
「すみません。写真はご遠慮願えますか?」
「えっ?あっ、………ごめんなさい」
私は2人にカメラを向ける女性の前に立ちはだかった。
間接的ではあるが、これもある意味パパラッチ対策。
一通り見回してみるが、一先ず大丈夫そうね。
ホッと一息吐いたのもつかの間、
「貴様の顔がブサイク過ぎて、キスする気にもならねぇっつーの!とっとと失せやがれッ!二度と俺様の前に現れるな!!」
「はぁっ?!ふざけんな!このゲス野郎!!」