オレ様専務を24時間 護衛する
なんて言えばいいのか、言葉に詰まる。
今は極秘任務遂行中な訳だし、
本当の事を打ち明ける程、仲が良かった訳では……。
「まぁ、格好なんてどうでもいいけどさ」
「………」
そう言って頂けると助かります。
心の中で安堵の溜息を零した。
すると徐に、胸元に長い腕が伸びて来た。
咄嗟にその腕を払い除けるような仕草をすると、
「ッ!……相変わらずだな。ちょっとペンを借りるだけだから」
「へ?」
彼は私のスーツの胸ポケットからボールペンを取り、
財布から取り出した名刺に何やら書き込み始めた。
「ん」
書き終えると、ボールペンを胸ポケットに戻し
「これ、俺の連絡先」
「へ?」
手渡された名刺を見ると、航空自衛隊の名刺だった。
裏には戦闘機が描かれている。
「時間がある時に食事でもどうだ?」
「え?」
………食事? それって、デートって事?
「ホント相変わらずだな」
「………」
「じゃあ、連絡よこせよ?」
先輩は得意の爽やかスマイルを振りまき、
私の頭をポンと一撫でして去って行った。
ホントに今日はイレギュラーな日だ。
大きな溜息を零すと、