オレ様専務を24時間 護衛する
はぁ?!
俺は自分の目を疑った。
大柄の男に抱きしめられているのは……松波。
『男同士』でなく、『男と女』だ。
……いや、そうとも限らないか?
奴が『女』だと知っているのは俺くらい。
今のアイツは男装しているし、
化粧していないアイツはどうみたって男にみえる……よな?
大柄な男が松波から腕を離すと、何やら親しそうに話し始めた。
よくよく見れば、松波は『女』にも見える。
……いや、女だな。
肌といい、口元といい、視線といい。
背は女にしては高い方だが、
あれくらいの身長、海外に行けばゴロゴロいる。
決定的なのは、あの笑顔だ!!
大柄の男が松波の頭をポンと撫でると、
松波は、はにかむように頬を緩めた。
親しそうに会話していた所をみると、知り合いか?
松波の男装を見破る程の奴。
雰囲気からして、ただの友達とも思えない。
「おい、松波」
「へ?あっ、京夜様!!」
俺の声に気付いた松波は、咄嗟に何かを隠した。
恐らく、さっきの男から貰ったものだろう。