オレ様専務を24時間 護衛する
別に松波が男に何を貰おうが、俺には関係ない。
もしかしたら、元カレかもしれないし
敢えて聞くまでも無いだろう。
「俺を呼びに来たのか?」
「え、あ、いえ、違います。喉が渇いたので飲み物を買いに……」
俺はてっきり迎えに来たのかと思った。
この後、商談が控えているし、
俺の突然の行動に違和感を覚えて、
様子を窺いに来たのかと思ったが、
……何だ、ただ単に喉が渇いただけか。
「そうか。じゃあ、何か買ってから行くか」
「奢って下さるのですか?」
「はっ?………いつも奢ってるだろ」
「………ですよね~」
松波は意味不明な事を口にした。
『奢る』等という言葉を、久しぶりに聞いた気がする。
まぁ、庶民にとっては
嗜好品に割くお金も死活問題だろうからな。
ここは俺が支払って当然だよな。
「おい、行くぞ?」
「へ?」
「商談に間に合わなくなる」
「あっ、そうですよね?!」