オレ様専務を24時間 護衛する
それにしても、ヤバいな。
俺だけならまだしも、松波まで注目の的だ。
もしかしたら、何枚か写真を撮られてたかもしれないな。
……まぁ、仕方ない。
今回は自分でも反省してるし、
これ以上、厄介な事にならないように気を付けるか。
それに――……、
もう、あの子の事は忘れよう。
俺があの子に執着してるばかりに、
あーいうロクでも無い奴の嘘を見抜けなくなるんだ。
今までの俺なら、決して靡くような女じゃないのに。
あぁ、それにしても腹が立つな。
あそこまで悪態を吐かれて、よく我慢出来たモノだ。
俺は自分自身の愚かさを棚に上げ、
最悪の事態を防げた自分に感心していた。
「おい、松波。飲み物は珈琲でいいよな?」
ショップを前にして振り返ると、
「ッ?!………松波?」
いる筈の松波がそこにはいなかった。