オレ様専務を24時間 護衛する
その後、商談も無事に終え、
いつも以上に仕事に集中する事で
俺は嫌な記憶を消し去ろうと必死だった。
自宅に到着した頃には思っていた以上に疲れていて……。
「松波」
「はい」
「今日は湯を張ってくれ」
「……はい、承知しました」
最近はシャワーで済ませていたが、
さすがに今日は浸かりたい気分だった。
はぁぁ~~。
溜息と共に嫌な記憶も吐き出せたらどんなにいいか。
ジャケットを脱ぎ捨てると、
まだ松波が浴室にいるというのに
俺は構わず、Yシャツを脱ぎ始めた。
「京夜様、………湯温は40℃で宜しかっ!////」
俺の上半身裸姿を見て、両手で顔を覆った松波。
フッ、そういう仕草をされると、
コイツも『女』なんだと再認識する。
「もういいぞ」
「あっ、はい!!失礼します!!」
松波は視線を逸らしたまま駆けて行った。
フフッ、アイツはやはり変ってる。
この俺様の肉体美を見ても抱きついて来ない。
以前、会員制のプールに行った際なんて、
見知らぬ女どもに強姦されそうになったけどな。
………だからだろうな、
アイツを傍に置いておいても安心出来るのは。
俺は疲れを取る為、ゆっくりと湯船に浸かった。