オレ様専務を24時間 護衛する
松波が用意したフィンガーフードを頬張る。
ズッキーニの上にクリームチーズが塗られ、
その上にマリネされた生ハムが添えられている。
更にローストしてある胡桃と
クランベリーがアクセントになっていて、
見た目も食感も風味もバランスが取れていて
ついつい、それがメインなんじゃないかと錯覚に陥る。
『食欲の秋』……まさしくその通りだ。
2杯目のワインを注ごうとボトルを手に取り、考える。
アイツにも、ある意味迷惑を掛けた訳だし
1人でボトルを空けるのも何だか虚しい。
どうせ、する事が無いだろうから誘うとするか。
俺は松波の部屋へと向かった。
22時を少し回った所。
時間的にもまだ起きてる筈。
ってか、俺の晩酌の後片付けをするから寝てる筈が無い。
俺はちいさく息を吐き、ドアをノックした。
――――コンコンッ
ドアを叩いてみたが、返事が無い。
もしかして、風呂に入ってるのか?
俺は今一度ドアをノックし、返事が無いのでドアを開けた。
「おい、松波~、一緒に酒を飲まなっ……?!」