オレ様専務を24時間 護衛する
俺は慌てふためいた。
もしかしたら、風呂に入ってていないかもしれない。
もしかしたら、風呂上がりで薄着かもしれない。
もしかしたら、ウトウトと横になってるかもしれない。
もしかしたら、また前みたいに電話中かもしれない。
普通に考えつく事を脳裏に思い浮かべてドアを開けたのに、
俺の視界に入ったアイツは……――………。
「……っ…………きっ、京……夜様っ、どうっ……され、ましたっ……?」
「………あっ、いや、その………大した……事じゃない」
「ぅぇえっ……?」
想像していた事と全く違うアイツが視界に入り、
俺は情けないほどに狼狽した。
「わっ、悪かったな、勝手に入って……。片付けは、明日の朝でいいから。……ゆっくり休め」
「……っ………」
俺は動揺を必死で隠そうと顔を引き攣らせ、
視線を逸らしたまま、部屋を後にした。
………何故、アイツは―――……。