オレ様専務を24時間 護衛する
「あの……」
「………ん?」
「昨夜は……醜態を晒してしまい、すみませんでした」
「………」
松波は俯き加減で謝罪の言葉を口にした。
醜態という程、醜くは無かった気がする。
確かに涙でグズグズになってたが、
嘘泣きする女に比べたら雲泥の差だ。
それに、醜態?
それを言うなら、俺の方が醜態を晒したよな?
人目を気にせず、あんなにも声を荒げたんだから。
「いや、別に気にしてない」
「へ?」
「俺も………似たようなもんだろ」
「………」
お互いに俯いて、気まずい雰囲気が漂う。
俺はそんな空気を打破すべく、
「昨日の男は……お前の元カレか?」
「へっ?!」
「……空港でお前を抱き締めてた奴だよ」
「みっ、………ご覧になったのですか?」
「あぁ」
「………ただの先輩です。元カレとかじゃありません」
「ふ~ん、別に俺には関係ないけど……」
松波はただの先輩だと言った。
あんなにも親しそうだったのに?
あっ、もしかして、コイツの片思いか?!