オレ様専務を24時間 護衛する
何度も手を捻り傾け、
どうにかこうにか見える角度を探してみるが、
やはり、傾けたくらいでは確認出来ない。
かと言って、人様の物を壊すような真似は出来ないし。
同じ塗装があるなら、
迷う事無く剥がしちゃうんだけどなぁ。
私は溜息を零しながら苦笑した。
何をこんなに悩んでるんだろう?
たかが、拾ったヘアピンに。
多分、それは彼……京夜様が関係してるからだよね?
それに、あの京夜様がこれを彼女にあげたのかと思うと
気になって気になって仕方ない。
ここへ来たての頃、
彼には悲しい過去があると感じたけど、
それが彼女だったのかしら……?
だから、あの恐ろしいほどの女嫌いな彼が
彼女の言葉にコロッといってしまったという訳ね?
ますます気になってしまった。
「少しくらい剥がしてもいいよね?」
私は呟くように自分に言い聞かせ、
そして、その剥げかけている塗装部分に親指の爪を立てた。
ペリッと綺麗に剥がれたそこには、
尖ったもので削ったような痕があった。
再度目を凝らし確認すると、