オレ様専務を24時間 護衛する


遥か昔の記憶を辿ってみる。


幼すぎて記憶も曖昧だけど、

確か、祖母からはヘアピンを幾つか贈られた。


私が1人っ子というのもあって、

手先が器用な祖母が色んな物を作ってくれたっけ。


記憶を懐かしみながら思い返してみる。



確か、星のヘアピンはどこかで無くした筈なんだけど。

何故、彼女が持ってたの?


ううん、違うわ。

何故、京夜様はこれを彼女に贈ったの?

というより、コレをどこで手に入れたのかしら?


それに、何故、コレには塗装がしてあるの?



考えれば考える程、謎が深くなる。


けれど、言える事は……―――……。



懐かしい祖母の記憶と

大切にしていた形見の品が

こうして再び手に出来た感動。



日々の生活に追われ、すっかり忘れていた幸せな記憶。


あんなにも大好きだった祖母なのに

何故、忘れてしまったのだろう?



自然と溢れ出す涙。


今、自室にいるという事もあり、

安心しきっていた私は感情を抑えられずにいた。



すると、


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