オレ様専務を24時間 護衛する
結局、京夜様は気まずさから部屋を後にした。
『一緒にお酒を』って言ってたけど、
もしかして、寝付けなくて誘ったのかしら?
泣き崩した顔で晩酌のお供をするのはさすがに無理。
いつもの私だったら、話し相手くらいにはなれたけど。
泣いただけでなく擦ってしまったから
きっと明日の朝は最悪の状態に違いない。
はあぁぁぁぁ~~~。
もう、ホント最悪な1日だよ。
ヘアピンと一緒に取り出した名刺。
受取ってしまったけど、どうしたらいいの?
食事にでも……なんて言ってたけど、
この護衛生活をしていたら、
そんな時間………私には無い。
優しくて面倒見のいい悠人先輩。
ちょっと憧れてた時もあったけど、
彼の卒業と同時に淡い恋心も薄れて行ったっけ。
気付けば、良い想い出の住人になっていた。
鏡の中に映る自分を眺め、
さすがにこれでは不味いと思った。
明日も仕事があるのにどうしよう。
今から冷やしたら大丈夫かなぁ?
私は目元を冷やす為、キッチンへと向かった。