オレ様専務を24時間 護衛する
あくる日。
昨日と何ら変わらない京夜様。
仕事も普通にこなしている。
あまりにテキパキこなすものだから、
私の方が煽られている……そんな感じ。
顏はだいぶ浮腫んでいるけど、
今日は事務的な仕事ばかりで本当に助かった。
定刻を過ぎ、京夜様と共に帰宅した。
自室へ戻ると、ふと視界に入ったあのヘアピン。
床頭台の上に置いてあるそれを手に取ってみる。
何度見ても、これは祖母の品。
塗装が施されてて分かり辛いけど、ちゃんと証拠がある。
どうやって、彼にこの事を尋ねようか。
ストレートに聞けるならそれが1番だけど、
拾う事すらせずに帰って来たって事は、これはもう要らないもの?
ってか、男性の彼には必要ないよね?
尋ねるにしたって、私が持ってたら
『何で拾って来たんだ?!』って怒鳴られそう。
でも、私は気になって気になって仕方ない。
聞きたい事は山のようにあるのに、
何て切り出していいのか分からない。
いっその事、『コレは何?』って聞く?
ううん、そんな上から目線、瞬殺されそうだよ。
私は夕食を作りながらずーっと考えていた。
やっぱり白黒はっきりさせないと、今夜は寝れそうに無い。
だって、これは元々私の物なんだから。