オレ様専務を24時間 護衛する
夕食後に晩酌用のつまみを用意していると、
京夜様がキッチンに姿を現した。
「如何されました?」
「……今日はツーリングしない事にした」
「どこか、ご不調でも?」
「いや、気分的に……」
「………そうですか」
――――気分的に?
それって、機嫌が悪いって事?
えぇ~……。
それじゃあ、聞きたいのに聞けないじゃない!
機嫌の悪い時ほど、恐ろしいモノは無い。
……特に、この人に限っては。
隣りでカクテルの準備をする彼を横目で見ながら
私は手際よくおつまみを用意した。
すると、
「お前も飲むか?」
「え?………あ、いえ、結構です」
「………そうか」
昨日に引き続き、今日も誘われた。
もしかして、1人で飲むのが嫌なのかしら?
私が来る前までは1人で飲んでたのに?
脳内に疑問符が飛び交う中、
出来上がった料理をリビングテーブルの置く。
そして、その前にグラスを置き、腰を下ろす彼。
そんな彼の顔色を窺うと、
格別、機嫌が悪い感じはしなかった。
だから……――……。