オレ様専務を24時間 護衛する


自室へと戻ろうとした足を止め、

意を決して彼に尋ねる事にした。



「あの、京夜様」

「………ん?」

「えっと、その……」

「何だ、はっきり言えよ」

「あの………」


やっぱり、無理だよ、聞けないよ。

見下ろされるのも怖いけど、

下から見上げられるのも怖いよ。


思わず怯んで噤んでしまった。

どうしよう。

言いかけて逃げたら、それこそ地雷を踏みそうだし。


本当にその威力抜群の眼力、何とかなりませんかね?



視線を逸らせずたじろいでいると、

京夜様は気を利かせたのか、ゆっくりと瞼を閉じた。


………今、言えって事?


私は彼の顔色を窺いながら、


「あの、昨日の事ですが……」

「………ん?」

「その………、空港で「待て!!」

「へっ?」


漸く言う気になったってのに、何でそうやって阻止する訳??

彼は片手を掲げて、私の言葉を遮った。


何? 何なの??

何で今のこのタイミングで腰を折る訳?!


聞きたい事は山のようにあるのに……。


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